モンテクリストとHunters & Frankau

モンテクリストが1935年の設立ということはよく知られていますが、その設立に際してのストーリーをご存知でしょうか。

個人的に詳細を少しづつ調べていたのですがリネア1935″レイェンダ”の到着のこともあり、良い機会なので纏めました。

montecristo

Habanos S.A.の中でも人気の高いブランドの一つにMontecristo(以下モンテクリスト)が挙げられます。
モンテクリストといえばアレクサンドル・デュマの作品で1844年から1846年にかけて、フランスの当時の大手新聞「デバ」紙に連載された”Le Comte de Monte-Cristo”です。シガー・ファクトリーでの就労時間中に朗読の読み手がよくリクエストを受けていたのが、この「モンテ・クリスト伯(巌窟王)」だったことから由来していると言われています。

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モンテクリストの歴史は1935年にAlonso Menéndezが斜陽だった弱小工場バイロン(Byron)を買収することから始まります。翌年には軌道に乗り、1936年にAlonso MenéndezはMenéndez, García y Cía社を創設。モンテクリストでの収益をもって1937年にはJ. Frankau SAからH.Upmann工場を買収し、モンテクリストの生産をH.Upmann(以下アプマン)へと移すこととなりました。そのまま革命後も製造はアプマン工場となっています。

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J. Frankauは英国でアプマンの唯一であるディストリビューターを続け、時を同じくしてJohn Hunter Morris and Elkan Co. Ltd.は英国でモンテクリストの唯一であるディストリビューターとなっていたのでした。
1963年、この2社は統合し今日の”Hunters & Frankau”となり今ではハバナ・シガーの英国で唯一のディストリビューター、輸入元となっています。そんなわけでEMS “English Market Selection”が成り立つべく成り立っているのは納得です(EMSについては下部をご参照ください)。

一説ではモンテクリストの正しいブランド名として”H.Upmann Montecristo Selection”とされていることも見受けられますが、事実はMenéndezが1935年にモンテクリストをスタートさせており、H. Upmannを手に入れることとなったのは1937になってからなので矛盾にお気づきになれらると思います。
モンテクリストの製造がH.Upmann工場で行われた事に起因する誤解でしょうか。

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因みにモンテクリストのブランド・ロゴの百合の紋を6振りの剣で囲ったものはJohn Hunter Morris and Elkan Co. Ltd.によるデザインです。

モンテクリスト

 

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EMS ‘イングリッシュ・マーケット・セレクション’

EMS とは ‘English Market Selection’ の頭文字に由来しており、数世紀に渡ってキューバで使用されている言葉で英国向けの品質を保っている葉巻を指します。

このEMSのラベルはハンター&フランカウが1993年に採用し、輸送されてきたハバナ・シガーが英国内の湿度管理された倉庫に到着した後、品質チェックを通ったボックスに貼られます。英国で販売されているハバナの品質保証の役割があります。

1997年からは年単位でステッカーの色分けがされるようになり、H&Fによって英国内で販売されているハバナに貼られています。

 

EMS-Logos
年ごとに色が変わるEMSラベル

UK基準で検査を通ったボックス(各ボックスは開封され、葉巻は個別に検査を受けます)はタバコ税の手続きが済まされ、健康についての警告ステッカーが貼られています。

ハバノスの英国レヒオナル、グラン・ブレターナのリングが巻かれた葉巻のボックスにはEMSのラベルが貼られているべきである事は言うまでもありません。

 

EMS-Boxes
左と右はレヒオナル

 

H&F 英国外向け

H&Fではボックスを開けいないものにはキューバ直輸入という印の保証ステッカーを貼付しており、輸出部門(アイルランド、ジブラルタル、カナル諸島向け)全てに適用されています。

HF-Imported-Stamp

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