ラ・エスセプシオンとオヨ・デ・モントレイ

ラ・エスセプシオン(ラ・エスセプション)は1850年代に設立されたキューバ革命以前のブランドで、今は廃止となっていますが2011年と2015年にイタリアのディストリビューター”Diadema s.p.a.”によってイタリア向けのEdición Regionalとして復刻されています。

2011年はSelectos Finos、そして2015年がこのDon Joséです。
なお、両者ともラ・エスセプシオンが健在であった時でもリリースされていないフォーマットとのことですがこれらERのブレンドにおいては時代考証を元に行われたといわれています。

このLa Escepciónとはどのようなブランドなのでしょうか。調べられる範囲では次のことがわかりました。
●ラ・エスセプシオンは1850年代後半にオーナーのJosé Generによって登場した歴史のあるキューバ・シガー・ブランドの一つ。
●創設者のDon José Generは1831年、13歳の時にスペインからキューバへ移住し、ブエルタ・アバホの叔父のプランテーションで働くこととなった。
●20年後、ハバナで工場を開きラ・エスセプシオンの名の下にシガーの生産を始める。
●1865年にはラ・エスセプシオンの工場での収益によってブエルタ・アバホの良質なタバコ畑を取得し、ここから生産される製品をオヨ・デ・モントレイとした。
●ラ・エスセプシオンとオヨ・デ・モントレイの特性は両極端でラ・エスセプシオンはよりストロングである。
●これまでのキューバ市場全体においてもそのブレンドは最もストロングだと言える。
●生産に関してはキューバ革命による影響も受けずクバ・タバコ公式カタログには8つのヴィトラが掲載されていた。
●1980年代にはラ・エスセプシオン特有の極端なストロングさが好まれなくなり消費者離れにつながったと考えられる。
●ラ・エスセプシオンの生産は100年以上続いたのだが、ブレンドにおいてその強さに人気の陰りが現れ生産が急落、1989年に廃止ブランドとなった。
●オヨ・デ・モントレイの姉妹ブランドと考えられがちではあるが、これはオヨ・デ・モントレイの始まりもJosé Generによることに起因する。ラ・エスセプシオンの登場後にオヨ・デ・モントレイが発足しているのでセカンド・ラインではない。この点ではむしろオヨ・デ・モントレイを生み出した父でさえあると言える。
●ブランド名についてであるが、”La Escepcion”という文字列は単なるスペルミスである。本来スペイン語で正しくは”La Excepcion”(英語で例外という意味の”Exception”)とならなければいけなかったのだった。今ではハバナ・シガーの歴史の中で最も有名な逸話の一つとなった。
●スペルミス発覚後もDon Joséは変更を加えずそのまま続投。理由は「いい感じ」だったからという説も。まさに例外を楽しんでいるようである。「この件については例外だ」と言ったところでしょうか。
●このブランドは常にオヨ・デ・モントレイと関連付けられているのだが、数度の売却によって最終的にはF. Palacio y Ciaの手中に収まることとなった。