ロッキー・パテル “タバクェロ” ハムレット

根っからのキューバ人で、キューバを愛し、勤勉でとても、とても人望の厚い方。
Hamlet Jaime Paredesさん(以下パレデス氏)。

ハムレットと呼ばれ親しまれている伝説のシガー・ローラー。
直接の面識はありませんが、いたるところでお名前を拝見しています。
キューバを訪れる機会を持つことが出来た時にはお会い出来ればと願っておりました。

パレデス氏は2001年に26歳という若さでパルタガスを記念したマスター・シガー・ローラー・コンペティションで優勝しており、2014年末まではロメオ・イ・フリエタ工場と旧パルタガス工場LCDHのイン-ストア・ローラーを務めつつ世界各地でのシガー・イベントに赴くなどシガーと共に人生を歩んでらっしゃいます。

カナダはバンクーバーのシガー・ショップでのデモンストレーションをYouTubeで視聴できます。
隣のワンちゃんがいい雰囲気を醸していますね。

そのパレデス氏は2015年の始まり頃から、現在ではキューバではなくフロリダにお住いのようです。

そうです。キューバを離れるという大英断を下したのです。
キューバを離れることは長年にわたって苦慮した結果で、家族のためと自分自身の可能性へのチャレンジのためなので、近年のU.S/Cubaの政治的な事柄とは全く関係のないことだそうです。

伝説の人が、さらなる伝説を作りつつあるのでしょうか。あまりにも魅力的ですね。
フロリダに拠点を持つRockeyPatel社のオーナーであるロッキー・パテル氏(以下パテル氏)との接点が鍵だったようです。
しかしながら、パテル氏によるとパレデス氏がキューバからカナダに到着するまでParedes氏と面識が全くなかったということが感慨深いお話です。
(HALFWHEELより)
パレデス氏はカナダに到着するや否や、パテル氏に電話を掛け、パテル氏はすぐさま迎えに向かったそうです。
これだけ互いに信用できることは、そうそうある話ではありません。
なによりパレデス氏は人生と、そして大切な家族をかけていたわけですから。相応の決意と覚悟がなければ出来ないことです。
まるで小説から取り出したストーリーのようです。いえ、このくだりだけで映画になるのではないでしょうか。

パレデス氏は現在パテル氏と仕事を共にしており、永住権などの都合上1年間は合衆国を離れることができないので、諸事情が許すまでの間は合衆国内にてイベントを行なう予定とのこと。
その後、すべてがクリアになった際には国際的にイベントを企画して行くそうです。
オンライン上ではアリゾナ、ペンシルバニアなどいろいろな場所でのイベント告知を目にします。
いつの日か、日本にもいらっしゃるかもしれませんね。

そしてパテル氏のもとで完成させた葉巻が、この”TABAQUERO”というラインです。
パテル氏によるとパレデス氏は100にも及ぶブレンドを作ったそうです。
一言、凄いとしか表現できません、いえ、感嘆のため息でしょうか。そしてそのどれもが皆に喜ばれたと伝えられています。
生産に入ったブレンドはパレデス氏が合衆国で事実上最初に作ったブレンドを採用しているとのこと。

tabaquero
Rocky Patel Websiteより / ロッキーパテル

Rocky Patel TABAQUERO Hamlet
ロッキー・パテル “タバケロ” ハムレット

ラッパー: メキシコ・サン・アンドレ
バインダー: ブラジルとメキシコ
フィラー: ニカラグア

ラインナップはコロナ、ロブスト、ロブスト・グランデ、トロ、そしてサロモン。
キューバのクラフトマンシップとニカラグアのオリジナリティを尊重し伝統的なハバナ・シガーのサイズ、巻き方に力を注いでいるそうです。

salomon.jpeg
Rocky Patel TABAQUERO Hamlet / Salomon / RG58 Length 19.36mm

RPの画像を見て、その重厚かつ綺麗な佇まいにとても魅力を感じました。

ラッパーは申し分のない柔らかさで、理想的な弾力があります。指を触れた時の印象は柔らかいと同時にしなやかさも意識させられます。とても綺麗ではありませんか。香りは香ばしさに加えて仄かなアンモニア香が漂います。

ラッパーの色はマデューロともとれるような色合い。この色合いを見て喫味を知りたくなったのでした。ラッパーの状態がわかるように明るい色合いでも撮影したのですが、ご覧のように端正で良い仕上がりです。

inhand.jpeg
手に持った状態

大柄なシガーですが、持ってみると意外にもしっくりとしています。径はとても好みです。

灰の割け具合も細かく、ホールドはそこそこでした。折る感触を感じるものの、あまり長くない状態でも自然と落ちます。詳細はレビューのページに書きますので、ここでは率直な感想を。。

フォーマットの関係上、とても穏やかな煙と緩やかな変化を楽しめます。ただ、変化の幅も大味な印象なので、ソファでオットマンに脚を投げ出してゆっくり、何も考えずに味わうことが適しているかと感じました。あるいは、屋外でBBQの際に、火起こしと同時にシガーにも火を灯して、炭火が安定するまで様子を見ながら、そして1時間ほど火の面倒を見た後にBBQを楽しみながらの喫煙でも十分に楽しめそうです。ちなみに今回は約1時間45分でした。ちょうどこのくらいの時間で私はBBQでお腹が満たされる頃合いです。つまり何かをしながらでも余裕を持てる軽さの喫味なのですね。

言い換えると、葉巻に集中しにくいかなという印象でもあります。口腔内、鼻腔で感じる味わいはとてもあっさりしていて、雑味はほとんどありません。火持ちも良いです。少し放置するぐらいでも十分燃えていますので、その点も安心です。いつ吸い込んでも不安はありませんし、どことなく煙の質はOPUS Xに近い感じですが、比較するとこのヴィトラは一層薄味で煙の粒が若干ですが荒い気がしました。

さて、実はこのサロモンの売価はUS$8.90/本という価格です。US$10/本以下という価格ではこのシガーの価値は非常に高いと思います。もし、私がU.Sレジデンツであれば喜んで箱買いしているはずでしょう。

この箱のみをアメリカから購入する場合で考えると現在、日本へは送料が実費近くかかるので(もちろん購入先によって変わります)、関税も考慮するとほぼ倍の価格かそれ以上になると思います(どんぶり勘定ですが)。

この点で価値観は大きく分かれるのではないでしょうか。

今はアメリカ市場をメイン・ターゲットにしていることは自明の理ですので、ブレンドもおそらく、何らかしらのマーケティングに基づいているような印象を受けました。そこには製造コストも関係してくると思いますので、パレデス氏のこれまでのキャリアを考えると、非常に苦労したのではないのでしょうか。

100近いブレンドを考えたというのは大げさではなくて、あながち真実のような気もしてきます。どんな味わい、アロマ、喫味が求められているのか解らない状態では、初めて扱うハバナ以外の葉タバコで的確に応えることは至難の技ではないでしょうか。厚かましい喩えで恐縮ですが、右も左も解らないのなら私もとりあえず作れるだけ作って様子を見るという方策を取るだろうと思わずにはいられません。ましてパレデス氏です。求められる以上を追求した結果なのではないでしょうか。そしてそれを実現したパレデス氏の努力はやはり偉大です。

パレデス氏のチャレンジは始まったばかりなんだなと実感しました。

 

今、RPのウェブサイトでイベントページ(時間が経つとリンクが切れてしまうかもしれません)を閲覧しているのですが、今年の4月までは面白そうなイベントが行われていたことを知りました。乗り遅れました。。。

contest
http://www.rockypatel.com/tabaquero/

2-Cigar-Prizes-Rocky-Patel

リングの裏に上記のいずれかのプリントが入っていれば当たりで、”T”のプリントなら20名までハムレットとのローリング・セッションに招待。”HP”で20本入りを1箱プレゼント、”H”ならサンプラー・パックのプレゼントという面白い企だったようです。

下手に”T”が当たってしまうと居ても立っても居られなくどうしようもなかったと思うので、乗り遅れて正解だったと自分に言い聞かせています(笑)。

 

 

[悲報…ワクワクしながらリングを外した結果]

2016-07-06 13.51.15
そうは言いつつも、実は期待していました。。。

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