ライターの修理

今年の夏は仕事に集中しなければならなかったのでブログの更新がおろそかになっていましたが、気がつけば秋になっていますね。

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振り返ってみると、今年に入ってからカレンダーの進みがとても早かったなというのが印象的です。娘が小学校に入学したり、娘の習い事の発表会で準備に追われたり、新しく娘が生まれたりとしているとあっという間です。

個人的にも仕事に集中しなければならない時期に差し掛かり、1つの大きな目標を定めたので残すは研鑽するのみです。

そんな合間に私にとってシガーというのは大きな泉です。疲れを癒してくれ、渇きを満たしてくれて、ゆっくりと思慮の時間を与えてくれます。多くのシガー・スモーカーも十人十色にシガーとの関係を築いていらっしゃると思います。皆さまにとってシガーとの時間は一言で表すとどのようなものでしょうか?煙を楽しみながらそのようなことを考えたりするのも楽しいものです。

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4月に娘の誕生記念として自分のためにはデュポンのライターを新調したのですが、それから3ヶ月ほど経った頃に音色の違和感が感じられるようになってしまいました。ヒンジを時々調べてみたのですが見た感じでは特に変化はなかったことと、しばらくすると元に戻っていたりしたのでそのままにしていたのですが。

そんなある日ふと、指に違和感を感じてヒンジを見るとピンが飛び出していました。押し込めば元に戻ったので様子をみていると頻繁に飛び出し始めてきたのです。穴が緩んでいるのかなとは感じていたのですが、修理に出すのも面倒だったので何も考えずに飛び出しに気づけば爪先で押しもどすということを繰り返していた。修理は保証が切れる直前でいいかなとも思っていました。。

ところが、よく考えると飛び出した反対側は押し出されたピンの分だけ窪んでいなければおかしいのでは?と思うようになりピンの飛び出しに気付いた時に反対側を確認してみたのです。

いたって普通でした。

ということで、窪んでいない事からピンが「折れて飛び出している」ことが判ったので、ようやく重い腰を上げて修理をお願いすることにした次第です。配送して確認してもらうとやはりピン折れのようで、僅かですが蓋にガタつきもあったようですね。

昨日、ようやく戻ってきました。炎調節レバーの角度も変わっていたので分解掃除していただけたのかもしれません。

開閉音は高めでフォーカス性のある音色だったのですが、戻ってきた音色は少しウォームさが増して音域が広まった感じです。

簡単に言えば、、ピーンとやや金属的で澄んだ音色だったのがピーンにややコーンが加わって程よい感じにこもり感があるということです。次第に変化してゆくと思いますが、安定するまでの楽しみの一つですね。

それにしても書き方で印象って変わるものですね。

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そして戻ってきたライターを片手に、せっかくなので今日一日はダヴィドフのクレブラスをと考えました。かつてはダヴィドフにスペシャルCというクレブラスがありましたが、今のダヴィドフにはクレブラスがありません。このクレブラスは少し前に購入したもので新しいクレブラスです。一般的には同じブレンドのシガーを3本束ねているのがクレブラスのフォーマットですね。パルタガスのクレブラスが手頃で入手しやすいのではないでしょうか。

このダヴィドフのクレブラスは面白い構成になっていて、ディスカバリー・ラインの「エスクリオ」「ニカラグア」「ヤマサ」をそれぞれ束ねているというクレブラスです。

ダヴィドフクレブラス

クレブラスの由来は諸説ありますが、その中の1つにシガーを密着させることで味わいに深みがもたらされるということが言われたりもします。そういった意味では3種類が混ざるのも面白いですね。

もっとも、このクレブラスはディスカバリー・ラインの試喫用にというのが大きな役割ですが、単にアソートメントとして箱詰めするのではなくクレブラスにしたという点にアイデアやセンスを感じました。

朝、昼、晩とスケジュールを決めて、どれから試すか強さを基準に考えたのがエスクリオ→ニカラグア→ヤマサの順番です。ヤマサはニカラグアとドミニカが絡み合う複雑さがあるようなので楽しみは最後にということでこの順番にしました。強さはニカラグアとヤマサは同程度のようなので朝を避けたという感じです。

それにしても、「ヤマサ」と聞くと醤油しか思い浮かべることができません。。。(笑)

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リボンを外すとフット側にリングが巻かれています。

大きさも持った印象ではパルタガスのクレブラスと同じでした。まずはエスクリオから。

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簡単に表現するとクリーミーでアニスのような甘味を伴ってフィニッシュに向けてナッティさが強まるという印象でした。炒り豆の香ばしさが心地いものでした。火をつける前は紅茶葉の香りとニュアンスだったので意外な味わいに新鮮さを感じさせられた感じです。

続いてニカラグア。

スタートはダークチョコレート。すごく好みの味わいで胸を突かれました。味わいは安定しており、終盤にスパイシーさと枯れたようなビターさが現れた印象です。エスクリオの甘味とは対照的でした。

話題は変わりますが、10月にデュポンから新作が発表されたようですね。

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ル・グランというシリーズのライターで、ローラーを上下移動させることでワイド・フレームからトーチ・フレームに変えられるようです。その機構を持たせるためライン2よりやや大きいようです。

トーチでフットを炙り、ワイドで着火ということをこれ一つで出来るというのは魅力的です。4月に購入したばかりなのでしばらくはお預けとなりますが、、気になって仕方ありません。ちなみにラッカーで店頭価格は19万弱とのことでした。

それましたが、ヤマサ。

ラッパーの香りがエスクリオ、ニカラグアとは全くことなる強さを持っており、期待したところ、これには火をつけてすぐに感動しました。

なんとも表現しがたい複雑さで、小麦を焦がしたようなトースト感やカカオ、山椒のようなペッパーさ。これらがどっしりと芯の座った基幹の味わいの中を駆け巡っていくようでとてもドラマティックでした。最初のドローで感じたキューバンの味わいがその根幹のようで、パルタガスをさらに濃密にした印象でした。

ヤマサについて、もっと知りたくなったので調べてみるとドミニカのヤマサ市の葉を使用しているようで、ここの気候がキューバにもっとも近い環境ということでした。

やはり、気候や土壌が関係していたのかと合点がゆきました。ドミニカを甘く見ていたかもしれません。ダヴィドフではプーロ・ド’ーロが好みでしたが、、今ではヤマサです。

今日1日、このクレブラスを試してみて、それまで私にはおまけ的な存在だったヤマサが、大きな宝物だったというどんでん返しで楽しませてくれたようです。もちろん、どの煙もクオリティの高いものでした。

欲を言うと、ヤマサの終盤は力尽きたのか、少し水臭い終わり方が残念な点でしょうか。ドミニカにありがちな味わいがボケる瞬間です。しかし、それまでの味わいはとても高い満足感を得られます。

このような機会がなければヤマサを手に取ることはなかったと思いますが、ダヴィドフの戦略にはまってしまったようです。

ご参考にしていただければ幸いです。

 

 

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