マテ茶

酒は飲まない,タバコを吸う。女を好きにならないくらいなら,男をやめる。だからと言って,あるいはどんな理由であっても,革命家としての任務をまっとうできないのなら,私は革命家をやめる。
チェ・ゲバラ

原文ではどのように記されているのか興味が湧き、探してみました。スペイン語です。

“No tomo y sí fumo. No voy a ninguna diversión, de ninguna clase, y soy un convencido de que tengo una misión que cumplir en el mundo, y de que en aras de esa misión tengo que sacrificar el hogar, tengo que sacrificar todos los placeres de la vida diaria de cualquier sujeto, tengo que sacrificar mi seguridad personal y quizá tenga que sacrificar mi vida”

どんな時に語られた言葉なのか、また日本語が意訳なのか、そもそもこの文章が元なのかが未だに調べ切れておりませんが、シガー・スモーカーならずともご存知の方が多いはず。

実は私も5年ほど前から色々な理由からアルコールを絶っていますので(革命家云々は抜きとして)嗜好としては似たような状態です。それ以前は好奇心旺盛で何でも来い状態でした(笑)

ですので、現在、私のシガーのお供はペリエやウィルキンソン、エスプレッソに砂糖、ロイアル・ミルクティーなどと共にチョコレートがよく登場します。コカ・コーラも良いものですよ(笑)
でもやはりウィルキンソンのような炭酸が強めのものを気に入っています。アルコールとシガーの組み合わせ・マリアージュはシガーの心地よい部分を最大限に引き出してくれるので良いのですが、、その背景にあるアクセントというか、仄かな雑味、引き立て役が隠れがちになる気がしています。

そんな飲物の事を考えたきっかけが、ボリバルを解説した「人生」という書籍でした(飲み物とは無関係ですが、、)。シモン・ボリバルについて2007年にようやく英語圏で発刊された名著だそうです。英語圏では50年ぶりの発刊とのことでした。これはどちらかというと専門書的なのですが、2013年にもう一冊の伝記的なものが発刊されており、順序としては、その伝記的なものを読んだ上でこの人生を読むと理解しやすいとのことでした。ちなみに伝記的な書籍は到着待ちで首を長くして待っているところです。
こちらはまだ、読み始めたばかりで、冒頭のボリバルが生まれた時代背景と当時のベネズエラの情勢が描写されている箇所です。

life
John Lynch著、英語圏での長年来の発行とのことで当時はよく取り上げられていたそうです。新品は高価だったので中古にて入手。ペーパーバックよりハードカバーが好みです。
lib
どうやらコネチカット州の図書館にて収蔵されていたようですね。検索すると立派な図書館でした。
dis
悲しいかなDISCARDステッカー付き。 処分のレッテルが貼られておりましたがこれも風情(笑)

読み進めて行くと政治的関連で”Bourbons”という単語が頻出。バーボンと読んでしまい、ふと頭の中は「何故こんなところでバーボンが?」「酒の話さえ無いのに?」と”?”マークで一杯となったのもつかの間、ハプスブルク家への言及もあったので、”ブルボン家”の事だとようやく気づくこととなりました。”s”の見落としと歴史に疎い割に無理して歴史書にトライした無残な結果。。

しかし、これで1つ賢くなりました。
もしかしてブルボン家とバーボンて関係あるのかな?と調べてみると

サントリーのウェブサイトではしっかりと説明されていました。以下引用。

「アメリカケンタッキー州バーボン郡の「バーボン」です。この地でバーボンウイスキーは生まれました。
バーボン(Bourbon)は、フランス語読みでブルボンです。アメリカ独立戦争時代、イギリスと闘っていたアメリカ独立派を支援したのが、当時植民地支配をめぐりイギリスと対立していたフランスでした。アメリカの独立後、フランスの援助に感謝の意味を込めてルイ王朝のブルボン家の名をケンタッキー州の地名に残すことにし、バーボン郡と名づけたそうです。現在は当時よりもはるかに小さな地域となりましたが、バーボン郡は今でもケンタッキー州の郡のひとつとして残っています。」

バーボンの世界では常識だったのですね!
恥ずかしながら、ついさっき知りました。バーボンを煽ってる時の私にとってバーボンはバーボンであり、それ以上突き詰めていなかった自分について今では後悔しかありません。

さて、チェの好みの飲み物はといえば?
ご存知、マテ茶との事です。Googleで画像検索するとチェがマテ茶を楽しんでいる様子が多く見られます。

興味はあったものの、デメリット・副作用も呼びかけられており未挑戦でした。
過多の摂取はデメリットが認識されていても適度であれば「飲むサラダ」とさえ言われているように栄養が豊富のようです。なんでもアルゼンチンでは野菜の栽培が難しい地域があってそこでは重宝されているという話も。
デメリットですが、マテ茶が飲まれている地域では咽頭ガンや食道ガンが多く見受けられるようです。マテ茶が直接の原因ではなく高温で飲むことがその一因と捉えられているようですね。
というのも飲み方が独特で、マテ壺と呼ばれる容器に茶葉を入れ、お湯を注ぎ、先端に茶漉しの付いたストローで飲むという方法なのです。
高温のお茶をストローで飲む勇気はありませんので、冷めてから飲もうと思います。

簡易的なティーバッグのマテ茶もありましたが、ここはマテ壺とボンビージャで戴くことに。モンテクリストと合わせてみたかったので。雰囲気も要素ですし(笑)。

何かと栄養が気になる年頃なのですが、マテ茶の栄養成分を知り、挑戦することに。その栄養成分ですが、紅茶と比較すると栄養価の高さに驚きです。以下は100g当たりの算出とのことで目安になろうかと思いました。

紅茶:
ビタミンK・・・6μg
ビタミンB・・・2 0.01mg
ナイアシン・・・0.1mg
ビタミンB6・・・0.01mg
葉酸・・・3μg
ビオチン・・・0.2μg
ナトリウム・・・1mg
カリウム・・・8mg
カルシウム・・・1mg
マグネシウム・・・1mg
リン・・・2mg
銅・・・0.01mg
マンガン・・・0.22mg

マテ茶:
マグネシウム・・・541mg
ビタミンC・・・0.988mg
ビタミンB2・・・30.2mg
カルシウム・・・655mg
亜鉛・・・9.4mg
鉄分・・・47mg
銅・・・2.7mg
ヨウ素・・・30mg
リン・・・34.3mg

栄養が気になっても役割などについては無知ですが亜鉛も含まれていますしマグネシム、銅など鉄分が高いようですね。ダイエット効果、美肌効果、疲労回復、冷え性改善、抗酸化作用、消化器の活発化が知られているようです。

数年来、始めようか止めておこうかと悩んでいましたが、ものは試しということで一式揃えたところです。

Mate&bon
マテ壺とボンビージャ(ボンビリアとも)のセットと可愛いパッケージのマテ茶、iPhone6は大きさの参考のために。
mate_opened
マテ壺とボンビージャ、意外に大きくて最初は驚きましたが、この大きさでないと十分には飲めないなと感じている現状です。マテ茶は1kgパッケージです。
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マテ壺の内側は旋盤加工された木材でストローの先に付いている茶漉し部分の湾曲にぴったりと合う湾曲になっています
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茶葉、茎が粉砕されていたり、粉塵も。香りは牧草地のような香りに感じました。グラッシー。

セットが届いたので早速味わってみました。
ペット飲料の「太陽のマテ茶」は気に入っていたのでワクワクです。

茶葉は草っぽい香りで、牧草地にいるようなそんな香り。乳牛の餌にヘイキューブというものが有りますが、その香りに近いかもしれません。
説明通りに準備をして、高温のお茶をストローで飲む覚悟が出来てから、まず一口。
意外と熱さは気になりませんでした。香りはやや畳の香りが強い緑茶のような、ハーブではあるのですが、より草的な印象でした。シガーでグラッシーさがふと感じられるときのような若草のようでもあり、好ましい香りです。
味は、非常に強いです。苦味のようでもあり、香ばしさのようでもあり、緑茶の茶葉を入れっぱなしにしていた時のような強さです。えぐみは無いので爽やかで好印象です。
太陽のマテ茶とは別格でした。

次にティーバッグに入れて抽出し冷やしてみました。蒸れた香りが抑えられ、爽やかなものの独特の味わいは円やかな印象です。でもクセはあります。

次は水出し。クセはなくなりお茶の色合いも麦茶色になりました。
より「太陽のマテ茶」に近いです。
この飲み方はテレレと呼ばれるらしいです。

蜂蜜を混ぜたり色々応用が効くようでいい遊びになりそうです。

マテ壺も色んな種類があるようなので、集めるのも面白そうですね。そんな画像を見ているとそれらは内部の木部がツヤツヤしている事に気付き、自分のものとは大違いだなと思っていると、使用前の準備が必要だという事を知りました。
旋盤の跡が荒くて木肌が荒れているのが気になっていたのですが、そういった部分を削って茶葉を詰めて湯を注いで一昼夜寝かすらしいです。

説明ではスプーンで残っている屑を削り取るとありましたがキリが無いのでサンドペーパーで段階を踏んで均しました。リューターを使おうかと思いましたが削りすぎては困るので手作業です。

内部の木部がカビてきたらどうしよう?とは疑問に思っていましたが、肉厚なので薄く削りながら使用すると長持ちしそうなので、この点もクリアですね。


以上がおおよそ一月前のことで、マテ茶にも慣れてきたのでシガーと合わせてみました。

購入時の真新しさとは打って変わって変色したマテ壺。カビの心配をしていましたが、今の所は大丈夫のようです。

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内側の木部もいい具合に染まりはじめました

ここに茶葉をたっぷりと入れます。お茶漬けなどに使うスプーンで10杯ほど。

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茶歯を入れた様子。ここから逆さにして振ることで細かい葉を上面に移動させ、さらに傾けた状態にすることでストローを固定させるスペースを作ります。

ストローの先はこのように両面とも穴が開けられて茶漉しになっていますが、粉末のような茶葉は一緒に流れてきます。これを体内に取り込むことも栄養吸収に役立っているとのことだそうです。少し粉っぽいした感触ですが(笑)。そのため飲みやすくするために手で蓋をして振り、粉末を上面に移動させるのですね。マテ壺の淵に粉末を見て取れます。

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傾けて作ったスペースにストローを差し込み、あとはお湯を注いで蒸らすだけ

なかなか寝付けなかったので、時間はたっぷり(笑)。

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No.2と
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お湯を注いだ状態
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割と良い感じ

このような感じでマテ茶を楽しんでいます。マテ茶の味わいが強いのでシガーのリセットにはぴったりですが、茶が非常にグラッシーなので(時には畳を思い起こさせることも)、合わせるシガーはグラッシーさのない方が良いのかなと感じています。今回はNo.2の良さが引き立てられて大満足。ただ、興味本位で一度はヴェゲロスと合わせてみたいものです。どうなることやら!

マテ茶の温度ですが、高温で入れると雑味の多い苦い味わいになってしまうようです。沸騰前の温度が最適のようで、実際に甘みを感じる味わいになります。

 

モンテクリスト_No2

 

 

マテ茶” への2件のフィードバック

  1. マテ茶はこのように煎れるのですね。
    おしゃれですし、葉巻とのマリアージュも気になるので私も欲しくなってしまいました。笑

    いいね: 1人

    1. asanさま
      ご無沙汰しております。マテ茶とはしばしば耳にすることがあるものの試す機会がなかったので挑戦してみました!少し癖のある味わいですが、次第に慣れてきました。
      1杯飲み切っても、ぬるま湯を注げば4〜5杯は楽しめています(淹れる茶葉の量にもよりますが)。
      機会があれば、ぜひどうぞ!

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